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企業・店舗等の造園
光風湯圃べにやAwara City, Fukui
April 2022
純日本庭園の再現
明治17年(1884年)開業、落ち着いた佇まいで関西の奥座敷と呼ばれるまでになった老舗旅館べにや。有形文化財に指定されていた建物が2018年5月、火災に見舞われました。燃えあがる炎の中、呆然と立ち尽くす社長に看板を外すよう指示した人がいました。社長はその声に押され即座に看板を外し、建物は焼失するもべにやの看板は無事に残ったのです。看板さえあれば、また旅館ができる。社長の決意で、べにや再建プロジェクトが始動しました。
数寄屋風の木造を主とした構造の客室棟の北側は、火災を免れた樹木をできるかぎり残し、火災前の庭の様子を再現。廊下を挟んだ南側には、あらたに坪庭を設けました。シンボルツリーのシイノキは表玄関に移植され、昔と変わらず客を出迎えてくれます。長年培ってきた技術・経験が、老舗旅館の再出発に役立てたことを大変嬉しく思います。
完成:令和3年(2021)7月